なぜ、工務店の営業は安定しないのでしょうか?
- 見学会にはお客様が来ても、契約に繋がらない。
- 問い合わせ件数が思うように増えない。
こうした現状は、人手不足が深刻化している今、顧客フォロー体制が整っておらず、営業が担当者任せになっていることが原因の一つです。
担当者任せの状態では、フォロー漏れが発生し、せっかくの契約チャンスを逃してしまいます。
そこで必要なのが「営業の仕組み化」です。
「仕組み化」と聞くと難しそうに感じますが、Excelなどのシンプルなツールを使えば誰でも簡単に始められます。
ここからは、工務店の営業を安定させるための顧客管理の基盤づくりと、今日から実践できるフォロー体制の整え方をわかりやすく解説します。
Excelで作る顧客管理テンプレートの構成
営業を安定させるため・・・というと少し大げさに聞こえるかもしれません。
しかし、地元工務店がまず最初に目指すべきは、「忘れない仕組み」をつくること です。
これだけで、営業ツールに対するハードルがぐっと下がります。
実は、顧客ステージを細かく分類したり、高度な仕組みを作り込む必要はありません。
地元工務店であれば、スタッフ同士で 営業の流れはなんとなく共有できている ことが多く、ゼロから体系化しなくても実務は回ります。
だからこそ重要なのは、
「誰が見ても同じ情報がわかるツールを1つ作ること」です。
これだけで、フォロー漏れは劇的に減り、営業の安定性も自然と上がっていきます。
特にExcelは扱いやすく、ほとんどのスタッフが抵抗なく使えるツールです。
複雑で習得に時間がかかるシステムを導入する必要はありません。
まずは、Excelで必要な情報を整理できれば十分です。
Excel に入れるべき「必要最低限」の項目一覧
最初、Excelには、最低限の項目を入れ、徐々に必要だと思われる項目を増やしていきます。
たとえば、最初は、こんな感じにします。
- 顧客名
- 電話番号
- メールアドレス
- 住所
- 初回接点日
- 初回接点種別
- 最終接触日
- ニュースレター発送の有無
- 次のアクション内容
- アクション期限
- 担当者
- 顧客の状況(ステージ不要/一言でOK)
- 備考
一番のポイントとなるのが、7、(8)、9、10になります。
実際、「最終接触日」「次のアクション内容」「アクション期限」の3つさえあれば、フォロー漏れはゼロになります。

特に、アクション期限に関しては、条件付き書式を利用して、管理すると漏れがありません。
上の例では、
- アクション期限が今日→黄色(2025年11月30日に設定)
- アクション期限が過ぎたもの→赤
- アクション期限が先の日→白
に設定してあります。
工務店向けExcelの入力ルール
地元工務店において、Excelを使う一番の目的は「忘れないこと」です。
そのため、入力のルールも最低限でOKです。
何かしたら「最終接触日」を必ず更新する
ニュースレターは毎月、送っていますので、それ以外の最終接触日を記載します。
たとえば、
- 来場お礼メール → 今日の日付
- プラン提案 → 今日の日付
- 電話フォロー → 今日の日付
などです。
これだけで 「放置されている顧客」 が一目で分かるようになります。
絶対に「次のアクション」と「アクション期限」を書く
たとえば、
- 電話
- メール
- 見学会の案内
- 書類送付
- 見積提示
- 〇月△日に再連絡する など
次のアクションを書かないと、「忘れる」ので、ここは徹底します。
いわゆる、ToDoListの長期版といったところですね。
完璧を目指さない
工務店は、現場仕事も多く、完璧を目指すと逆に長続きしません。
Excelにメモ書きをするイメージで、ざっくり、要点だけでOKです。
工務店向けExcelの運用方法
Excelの運用は、毎日5分もあればできます。
毎朝やること(3分)
- アクション期限の近い行だけフィルターで表示
- 今日やるべきフォローを確認
- 電話する順に並べ替え
これだけで毎日の営業に「迷い」がなくなり、効率的に動けるようになります。
毎夕やること(2分)
- 今日やったことを「最終接触日」に記入
- 次のアクションと期限をセット
工務店の場合、見込みから契約までの道のりが長いため、営業の流れを見える化するためにも、「最終接触日」「次のアクション」「アクションの期限」は、毎回、書き換えるのではなく、列を追加する形で、どんどん増やしていきましょう。
こうすることで、見込みから受注への道が、誰の目にもわかるようになり、スタッフが「チーム」となって動けるようになります。
まとめ
Excelを使った顧客管理の目的は、難しい仕組みをつくることではありません。
最も大切なのは、「忘れない仕組み」をつくり、フォロー漏れをゼロにすることです。
そして、Excelで情報を一つにまとめておくことで、担当者ごとのバラつきがなくなり、営業の流れが見える化されます。
その結果、誰が見ても同じ判断ができるようになり、スタッフ全員が同じ方向を向いた「ワンチームの営業体制」が自然と整っていきます。
一見すると、Excelへの入力作業は「営業らしくない」事務作業に見えるかもしれません。
しかし、この積み重ねこそが、貴社の営業に再現性を生み、他社には真似できない「唯一無二の営業ツール」へと育っていくのです。
ぜひ、「顧客管理」という小さな一歩から、貴社の「営業の仕組み化」を始めてみてください。

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