先日、ある工務店さんとのミーティングで、こんな話を聞きました。
「今回の予約見学会、23組だったんですよ。ちょっと少なかったですね」と。
この数字を聞いて、「予約見学会で、23組も来たなら十分じゃないか」と思う方も多いかもしれません。
実際、完成見学会を開いても、数組しか来ない工務店さんにとっては、23組はうらやましい数字でしょう。
ただ、この工務店さんにとっては事情が違いました。
いつもは40組前後来る工務店だった
この工務店さんは、集客が安定しており、最低でも2ヶ月に一度は完成見学会を開催できています。
通常であれば、40組前後の来場があるのが当たり前。
だからこそ、23組という数字に対して「少なかった」という言葉が出たのです。
ですが、今回の話は、「見学会が失敗した」という話ではありません。
むしろ、その逆でした。
数は少なかった。でも、今までと「違う反応」があった
今回の見学会には、これまでの見学会とは明らかに違う点がありました。
それは、今までとは異なる層のお客様が、2組来場したこと。
社長はこうおっしゃっていました。
「人数は少なかったが、広告に訴求した内容に合ったお客さんが来てくれたんです」と。
この一言で、今回の見学会の評価は大きく変わりました。
来場者数が減った理由は「失敗」ではない
なぜ、今回は来場者数が減ったのか。
話を整理すると、原因ははっきりしていました。
- 見学会のテーマを絞り、
- 告知の言葉を、あえて広げず、
- 「誰に向けた家か」を明確にしたのです。
その結果、来る人が絞られただけだったのです。
集客が弱くなったわけでも、見学会の魅力が落ちたわけでもありません。
むしろ、「今回は、合わない人が来なかった」だけのことでした。
見学会は「集める場」ではなく「見極める場」
この話から、改めて確認できたことがあります。
それは、見学会は何組来たかを競うイベントではなく、どんな人が来たかを確認する場だということ。
- いつもと同じ層だけが来ているのか
- 新しい層の反応が出ているのか
- 次につながる可能性が見えたのか
この視点で見ると、今回の23組という数字は「減った」のではなく、訴求内容によって「来る人が変わった」と捉える方が自然でした。
本当の収穫は「次のターゲットが見えた」こと
その結果、この工務店さんとのミーティングでは、今回の見学会をこうまとめました。
「今回来てくれた新しい層に向けて、少しずつ「仕組み」を作っていくのが良いですね」と。
- 今までの顧客と違う所は何か?
- どういう視点が必要か?など
見学会の結果を、次の戦略づくりに使うという判断です。
これは、「23組しか来なかった見学会」ではありません。
新しい市場の入口が見えた見学会でした。
見学会が数組しか来なくても、落ち込む必要はない
この話は、「集客できている工務店だけの話」ではありません。
むしろ、見学会に数組しか来ない工務店さんほど、考えてほしいポイントがあります。
- その数組は、いつもと同じ人ですか?
- それとも、今までと違う反応ですか?
- 次につながるヒントはありませんか?
見学会の価値は、来場者数だけでは測れません。
23組という数字の、本当の意味
23組という数字は、
- 少なかったから問題だったのではなく
- 多かったから成功だったのでもなく
「これまでと違う反応が見えた」という点で、意味のある数字でした。
見学会は、集客の結果を見る場であると同時に、次の戦略を見つける場でもあります。
数字に一喜一憂するのではなく、その中身をどう読むか。
そこに、工務店の強さが表れます。

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