工務店がAIを使おうとすれば、使い道は実にさまざまです。
ただ、現場の時間割りと経費感覚のなかで「いちばん役立つ場所はどこか?」を考えるなら、私の経験上、文章の土台づくり、つまり、「文章の構成」に特化させるのが現実的です。
見積もりや図面が、AIに頼めば魔法のように一瞬で仕上がる。
そんなイメージで手を出すと、すぐにギャップにぶつかります。
見積もりや帳票は、テンプレやExcelのほうが速い
実際、請求書や見積書ひとつとっても、ゼロからAIに書かせるより、
- ネットにあるテンプレートをダウンロードしてて自社用に整える
- Excelに慣れていれば、自分たちで直接、作る
方が断然、早いです。
「業務効率化」という言葉は確かに魅力的ですが、自社の現実と、すり合わせすることが大切で、そこをAIだけで回そうとすると、かえって時間がかかってしまいます。
目的がはっきりしていなければ、まだ時期尚早になる
世の中は今、やたらとAI、AIと騒がしいので、
「結局、自分はAIを何のために使うのか?」
が腹のなかで決まっていなければ、まだ始めるにしても早い、かもしれません。
なぜなら、道具は、用途が明確になっていないと、宝の持ち腐れで終わることが多いからです。
一方で、
「使いこなせないと、時代に置いていかれるのでは」
という焦りがあるのであれば、最初のAIとの協同作業はシンプルに考えましょう。
つまり、メモ書きを、ブログやSNS向けの文章に(構成まで含めて)書き換えてもらう。
ここを、AI導入の最初の目的にします。
「ネタがない」は錯覚で、「文章にできない」がほんとう
「たかがメモを起こすだけ?」と思われるかもしれません。
でも、文章づくりでいちばん手間と時間を食うのは、文章そのものより、それ以前、並べ方と間の取り方、接続詞の選び方だったりします。
文章が苦手な方は往々にして、「書くネタがない」と決めつけがちですが、私の経験上、ネタがないのではなく、そのネタを文章の形にできないという方がほとんどです。
小さな工務店やリフォーム店では、現場に立つことが仕事の中心です。
だからこそ、転がっている材料はいくらでもあります。
段差の話、断熱の話、職人との段取り、お客様の迷いetc.
にもかかわらず「それが、記事になる」と気づかないのです。
だからこそメモが有効です。
しかも、
- 最初から正しい流れなど考えなくてもいい
- どんな見出しにするかとかも、いったん無視して書き殴っていい
ここが、割り切れると、文章を書く壁はぐっと低くなります。
AIを片腕にするときの最大のメリット
AIを片腕として使うときの、いちばん大きなメリットは、文章の体裁を気にせず、メモをどんどん残せるようになるという点です。
流れを整えながら書こうとすると、どうしても当たり障りのない一般論に寄りがちです。
でも、小さな工務店やリフォーム店は、経営者やスタッフの想いが濃いほど、お客様の心を動かせますし、自分たちが来てほしいお客様を集めるためには、文章の力なくしてはできません。
そういう文章にしていくためには、いったん自分のなかの「文章の枠」「こうあるべきという枠」を外して、メモにガンガンと書いていく勇気が必要です。
実は、これこそが、ライティングの上達のカギでもあるのです。
美辞麗句はいらない。国語の先生ではないのだから
美辞麗句を並べること、滑らかな美文章を書くこと、小さな工務店・リフォーム店がそれを第一目標にする必要はありません。
言うまでもなく、私たちは国語の先生ではないからです。
工務店やリフォーム店が文章を書く一番の目的は、家づくりに向き合う気持ちが自分たちと近いお客様を集め、仲間や同志になってもらうことです。
ここを間違えると、AIの育て方や使い方まで、ずれていきます。
便利な道具に振り回されて、いちばん伝えたい「コア」が消える・・・という落とし穴です。
まとめ
AIを使えば、何でも「効率アップ」になるわけではありません。
ですが、今まで文章に苦手意識のあった方が、AIによって「文章の力」を実感することはできると思います。
※最近は文章ではなく「言語化」という言葉が使われることが多いです。
もちろん、そのためにはAIを「正しく使う(育てる)」必要はありますが、
まずは、AIに慣れることから、始めてみましょう。
慣れるためには、ChatGPTでも、Geminiでも、Copilotでも、良いので、とにかく使ってみることです。
ただし最初は、あくまでも、AIの便利さを体感するだけです。
育てるには、また、別の視点が必要です。
そのあたりのことについては、AIとはなんぞや?という点をザクッと知っておくと理解が深まると思いますので、近々、記事にいたします。

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