リフォームでは、お客様から
- 「部屋を広げてほしい」
- 「キッチンを新しくしたい」
といった要望がよく出ます。
けれど、その言葉がそのまま「本当に叶えたいこと」とは限りません。
表面的な要望の奥に、お客様自身もまだ言葉にできていない本音があることが多いのです。
今回は、本当の要望にたどりつくために欠かせない「聞く力」と、掘り下げのしかたをお伝えします。
お客様が本当の要望を言葉にできていない理由
「部屋を広げてほしい」と言われたとき、そのまま間取りを広げるプランだけを出していませんか?
お客様は、日々の暮らしのなかで「なんとなく不便」「こうなったらいいのに」という感覚は持っていても、それを一言で言い表すのは難しいことが多いものです。
お客様は工事のこと、構造のことなど、詳しくわかりません。
そのため、「あれもこれも頼んだらダメなのではないか?」「断られるのではないか?」という無意識の恐れを抱いていらっしゃる場合があります。
また、家族の人数や生活パターン、将来の変化など、自分では当たり前すぎて「言わなくても伝わる」と思っていらっしゃる場合もあります。
だからこそ、工務店側が「なぜ?」を問いかけて、一緒に言語化していくことが大切になります。
お客様の「本当にやりたいこと」が形になれば、後から「思っていたのと違う」が減り、満足度も信頼も積み上がります。
「なぜ?」を繰り返して、本当にやりたいことにたどりつく
本当の要望に近づくために、いちばんシンプルで効くのが「なぜ?」を繰り返すことです。
「〇〇したい」と言われたら、「なぜ、〇〇したいのですか?」と一度で終わらせず、答えを聞いたらさらに「なぜ?」と掘り下げていきます。
すると、最初の「部屋を広げたい」の奥に、
- 「家族が集まる場所が足りない」
- 「来客時に見せられるようなステキな空間にしたい」
- 「家事動線がつらい」など、
具体的な不満や要望が見えてきます。
つまり「部屋を広げたい」という要望は、お客様の頭の中で「結論」として出てきているだけですから、そこへ至ったプロセスを、私たち自身がきちんと理解しておく必要があるのです。
実際、このプロセスを確認することによって、リフォームの提案の方向性は大きく変わる可能性があります。
- 表面的な要望だけを聞いて「言われた通りにしました」というリフォーム会社と
- その奥にある本当の要望をくみ取り作り上げたリフォーム会社
どちらが、信頼されるか?は言うまでもないでしょう。
どこまで理解し、どんな提案ができるかが、リフォーム会社としての差になるのです。
掘り下げの例:「部屋を広げたい」→ なぜ? → …
実際の会話の流れを、簡単な例でお示しします。
- お客様:「リビングを広げたいんです」
- リフォーム会社:「ありがとうございます。なぜ、広げたいと思われたのでしょうか?」
- お客様:「子どもが大きくなって、みんなで食事するとき狭くて……」
- リフォーム会社:「なるほど。では、広げたあと、どんなふうに使いたいイメージがありますか?」
- お客様:「ダイニングでゆっくり食事して、片付けも楽にしたい。あと、友達が来たときに、ちょっと見せられる場所があるといいなって」
こうして「広げたい」の奥に、「家族の団らん」「家事負担の軽減」「来客時の見せ場」といった本当の願いが出てきます。
つまり、ただ面積を増やすだけでなく、動線・収納・テーブルまわりの提案までが必要だということです。
「なぜ?」を繰り返すことで、お客様が本当に叶えたいリフォームが、少しずつ形になっていくということを忘れないでください。
聞く力を活かすための心がけ(まとめ)
- 「なぜ?」を習慣にする
「〇〇したい」と言われたら、理由を一度は必ず聞く。
答えの先にもう一度「なぜ?」「どんなふうにしたいですか?」と問いかける。 - 言葉にできていない本音を一緒に探す
お客様が「なんとなく」で話している部分を、否定せず「こういうことでしょうか?」と確認しながら、一緒に言語化する。 - 理解したうえで提案する
要望の奥まで聞いたら、その理解を土台に「だったら、こういう提案ができます」とつなげる。
設備や広さだけで終わらせない。
聞く力は、信頼されるリフォームの土台のひとつです。
本当の要望まで掘り下げる質問を続けることで、お客様に「この会社はわかってくれる」と思ってもらえる関係に近づけます。
※信頼の土台となる考え方については、下記の記事も参考にしてみてください。


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