住宅購入・建築に関する意識調査やマーケティング調査(リクルート系、SUUMO、ハウスメーカー各社など)では、「間取り・内装・設備」「日常の使い勝手」「生活動線」「インテリア」など女性の関心が高い項目では妻の影響力が強いとする回答が多く見られます。
これは、地元工務店においても同様で、統計に頼らずとも肌感覚で理解できる現実ではないでしょうか。
つまり、家づくりの現場においては、女性の意見が家づくりを左右しているのです。
では、工務店が発行する「ニュースレター」を、最初に封を開けるのは誰でしょうか?
発信になると「自分目線」になりがち
ニュースレターを最初に開くのは、ほとんどが女性です。
※たとえ、宛先がご主人の名前になっていても同じです。
現在、家づくりの現場では、女性の意見を大切にしている工務店がほとんどです。
にもかかわらず、ニュースレターなどの発信物は、男性好みのデザインや視点が優先されがちです。
※工務店スタッフに男性が多いことも一因かもしれません。
その結果、せっかく発行しているニュースレターのデザインや内容が、家づくりのキーパーソンである女性の気持ちに届かないことも少なくありません。
このギャップこそ、工務店の情報発信で見落とされやすい、非常に重要なポイントです。
女性視点を意識したコンテンツ作り
では、女性視点を意識したコンテンツには、どんなものがあるでしょうか?
過去、「女性向け=料理・家事ネタ」という発想は非常に多かったようですが、今の時代ではむしろ逆効果です。
多くの女性にとって「暮らしを設計する」「家族が過ごす空間を考える」ことが関心の中心であり、ニュースレターで共感を得るには、「暮らしに関わる思考や感性に触れる」内容が重要です。
いくつか良い例を出してみます。
- 朝の支度がラクになる・・・「動線のストレス」を小さくする間取りの考え方
- 家族が自然とリビングに集まる理由・・・居心地の良さという「見えない部分」を考えてみる
- 家事を分担ではなく「共有」にする空間づくり・・・負担ではなく、自然と手伝いたくなる家へ
- 子供が成長しても、心地よく暮らせる家・・・家族の変化に寄り添う「余白」の間取り
- 忙しい日々でも「ホッとできる場所」を作る・・・リビングの片隅、窓の利用の仕方
など、数字では語れない「暮らしの満足度」にフォーカスするようにします。
デザインの工夫で「親近感」を高める
コンテンツだけでなく、視覚的にも女性が手に取りやすいデザインにします。
たとえば、
- 色使い・余白・写真、イラスト
- 難しい専門用語は避ける
- 読みやすいフォント・文章にする
などです。
文章のトーンで共感を生む
文章のトーンで共感を生むためには、読者に「自分のことだ」と感じてもらえることが大切です。
そのためには、教科書のようにきれいに説明するよりも、少し語りかけるような文体を意識してみましょう。
たとえば、
- 読者に話しかけるような、やわらかい表現にする
- 「こんな経験、ありませんか?」といった質問を交える
- 実際の体験談やお客様の声を紹介する
こうした工夫があるだけで、文章は一気に「人に届く」ものになります。
ニュースレターと現場の提案をつなぐ
私たちが「おまかせニュースレター」を作る際に、意識していることの一つが、ニュースレターと現場の提案をつなぐことです。
たとえば、
作業中の写真や完成後の写真を添えて、
- これはどんな作業をしているところなのか?
- どんな工夫を施したのか?
- なぜそうしたのか? 何のためなのか?
といったことを、短い言葉で紹介します。
むずかしい専門用語は使いませんし、すべてをきっちり説明することもしません。
なぜなら、あえて「少し足りないくらい」にすることで、読んだ方が「もっと知りたい」と感じてくれるからです。
実際に、私たちが作った、おまかせのニュースレターをご覧ください。

まとめ
以上を一言でまとめると、
ニュースレターは「家づくりのキーパーソンに届く、共感のツール」だということです。
単なる情報発信や、接触頻度を増やすための手段として使うのではなく、いかに共感を得られるかという視点にフォーカスすることで、「この会社と一緒に家づくりをしたい!」と思ってもらえる信頼を築くことができます。
なお今回は、多くの工務店で不足しがちな「女性視点」に焦点を当ててお話ししましたが、もちろん「男性視点」も同じように大切です。
こちらについては、すでに多くの工務店さんがしっかり取り組まれていると思いますので、今回は触れませんでした。

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