断熱材の不足や資材高騰が、また話題になっています。
建築の現場としては、「またか」と、と思っている方多いと思います。
ただ、私の経験上、こういう局面ほど「現場にかかりっきり」は、まずいです。
工務店、リフォーム店は、現場が最優先になる。
これは、仕方がないことです。
ですが、資材不足や高騰は、言うまでもなく、経営を直撃しますから、営業活動と新しい挑戦がいつも以上に大事になってきます。
家計のやりくりだと、まずコストカットに目がいく
工務店経営を、家計のやりくりにたとえると、真っ先に行われるのがコストカットです。
確かに、無駄な経費は削るべきです。
ですが、コストカットだけでは乗り切れない局面があります。
資材が上がれば、当然、同じ売上でも利益は薄くなりますが、減った利益分をまかなえるほどのコストカットができるところはありません。
長年、経営していれば、「単価が追いつかないと、利益が残りにくい」ことは、肌感覚でもわかるはずです。
とは言え、見積欄の単価を一括で値上げすることはほとんど不可能でしょう。
「予算オーバー」になれば、お客様は「工事そのものを延期、中止」もしくは、「他社へ乗り換え」を検討しはじめるからです。
不安のときほど、収入と受注のほうを先に置く
こういう時は、頭のなかの順番として、
- どれだけ収入を増やすか?
- 受注をどう増やすのか?
- どう集客するのか?
のほうを、コストカットと同列か、それ以上に置いた方がいいと思います。
例えば次のようなことは、常に意識しておきたいところです。
- 新規のお客様との接点を、途切れさせない
- 一度つながったお客様(OB)を、メンテや紹介の話で逃さない
- 今の仕事の延長線にある仕事や提案に、少しずつ幅を持たせる
- 得意な仕事・得意なお客様に、 時間と説明の手間を優先して振り向ける
多角化は、資金と労力の見極めが先
一方、多角化へ走る企業も少なくありませんが、地元の工務店・リフォーム店の場合、
- あまりに大きな資金が要ること
- 社長ひとりの労力が足りないのに手を広げすぎること
は、リスクが大きいです。
今の仕事の延長線にあるものを、広げていく感覚で取り組むほうが、本業にも返ってきやすいでしょう。
最近は、カフェを併設している工務店も見かけますが、カフェ自体が黒字で回っていなければ、本業の足を引っ張ることにもなりかねません。
端材を活かした、工務店の新しい『ファンづくり』も、延長線の一端
経験上、私が一番、おススメしたいのが、「端材」を活かすことです。
現実の資材が高いほど、端材や小口材をどう扱うかも、経営の一端となります。
捨てるにしてもコストですし、置き場にも困るわけですから。
そこで、端材をそのまま「余り物」で終わらせず、新しいファンづくりに利用するのも良い方法です。
例えば、端板や短い材で小さなインテリアの試作品をつくり、OBや地域の人向けに「端材でつくる会」のような形で開放する。
Instagram やブログで、「うちの現場から出た端材が、こう生き返った」と見せる、などなどです。
これは、カフェのような大きな投資の話とは別軸で、新しいお客様や紹介のきっかけ、いわば『ファンづくり』にもつながり得ます。
資材を無駄にしたくないという現場の本音と、会社の人柄や考え方を知ってもらう、という営業の意図が、バッチリ一本の線でつながります。
もちろん、こうした製品に対しては安全や品質の説明、現場の手間が増えすぎないかなど、最初から線を引いておいた方がいい部分もあります。
それでも、「値上げと不足の話ばかりではなく、うちは端材まで含めて頭を使っている」と伝わるだけでも、大きな差別化になるはずです。
※今は、DIYも人気があるため、集客しやすいはずです。

まとめ
断熱材や資材の話は、現場の話というよりは、経営のど真ん中の話です。
不安なときほど、無駄は削りつつ、受注やファンを増やすため、新たな営業にもチャレンジする。
その泥臭い努力こそが、利益を守り続ける近道になります。

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