2022年の注文住宅の着工数は前年比11%減の25万戸でしたが、2023年はどうだったのでしょうか?
2023年の注文住宅着工数は2024年にしかわかりませんが、今年10月の着工数が前年比17%の減少というデータを見れば、来年はますますパイの奪い合いになっていくことが予想されます。
こうした状況下では、工務店経営は今後、ますます厳しくなっていくのは間違いありません。
限られたパイを手に入れるには?
実は今、A工務店もB工務店もC工務店も、差別化を図ることは非常に難しくなってきています。
というのも、建築の質(機能やスペック)は消費者側からみたら、ほぼほぼ同じに見えてしまうからです。
「何を言っているんだ!弊社の〇〇は、他社とは全然違う〇〇なのだ!」と声を荒げる方もいらっしゃるでしょうが、これはあくまでも、消費者から見たら!という話です。
しかもこれは、工務店に限ったことではないのです。
実は、市場が成熟した日本においては競争の激化が進み、似たような商品やサービスを提供する企業が増えたため、顧客体験を通じ、差別化を図ろうとする動きが出てきています。
言うまでもなく、顧客体験の価値を引き上げれば、
- 良い口コミが広がる
- リピート受注がある
- 新規客を紹介してくれる
など、安定経営への道が開けてきますので、工務店の生き残り策としても力を入れるべきところです。
顧客体験とは何か?
では、顧客体験価値とは何なのでしょうか?
顧客体験価値とは、字面の通り、顧客(消費者)が体験する価値のことですが、工務店の場合、何を「体験」と位置付けるのか?ここがとても重要です。
体験というぐらいだから、見学会とかイベントだろうな・・・と簡単にイメージする方が多いかもしれませんが、それだけでは、ありません。
消費者が、貴社に関わった時から始まって、家づくりの間はもちろん、工事が終わってからもず~っと!つまり、家が存在している限り(工務店が存在している限り)、顧客の体験は続いていきます。
それを実感していただけるよう、今回も図を作りましたので、ご覧ください。
右側の中身は、工務店が通常行っている営業活動ですが、注意していただきたいのは、体験=アナログな実体験だけではないという点です。
つまり、SNSや、ニュースレター、ブログ、OBからの情報などもすべて、顧客体験として考えておかなければなりません。
ただし、上図の営業活動すべてを十把一からげにしてしまっては、わけがわからなくなりますので、下記の3つのステップに分けて考えるのが良いと思います。
- 見ず知らずの他人→顔見知りになる
- 顔見知りになる→ファンになる
- ファンになる→生涯応援してくれる
おそらく、ステップごとに分けていくと、1はできているが、2ができていない工務店、2~3はできているが1ができていない工務店など、様々なパターンがあると思います。
そのことが、ご自身で明確に気づけたなら、ぜひ、できていないルート内での顧客体験価値を高めるにはどうしたら良いか?この年末年始に考えてみていただきたいと思います。
一方、どこが原因なのか?よくわからない・・・という場合には、今までの見込み客が、どこで脱落していったか?を確認してみましょう。そこから確実に見えてくるものがあるはずです。
工務店2024年の生き残り策のまとめ
新規客はもちろんのこと、OB客からの紹介も欲しい!これが、工務店経営者の本音です。
が、そのためには、顧客の体験価値をコツコツと地道に高めていく必要があります。
実は、顧客体験価値は、わかっているようでいて当事者にはまるで見えていないことが良くあります。
もちろん、アナログな営業活動(勉強会や展示会、新築時のイベントなど)に関しては、素晴らしい企画を、当たり前のように粛々と行っている工務店さんも少なくありません。
ですが、やはり、気になるのは、webとニュースレターです。
せっかくの価値あるすばらしい顧客体験は、ぜひ、ブログにもニュースレターにも書くことをおススメします。
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