リフォームの打ち合わせでは、お客様の「こうしたい」をできる限り叶えたいと思うものです。
けれど、構造上や予算上、どうしても叶えられないご要望が出ることは、どの現場にもあります。
そんなとき、無理な旨を隠すのではなく正直に伝え、そのうえで必ず代替案を用意する。
この姿勢が、長い目で見た信頼につながります。
今回は、無理な場合の伝え方と、代替案の考え方・出し方をまとめます。
どうしても叶えられない要望はある
お客様が「ここをこうしたい」とおっしゃったとき、私たちは可能な限り実現したいと考えます。
とはいえ、現実には次のような理由で、ご希望どおりにできないことがあります。
- 構造上の制約(耐力壁の位置、梁の関係、法規制など)
- 予算の範囲(ご予算内に収まらない規模・仕様)
- 工期や手配の都合(資材・職人の確保など)
「言いづらいから」とあいまいにしたり、後から「実はできませんでした」となったりすると、お客様の信頼は一気に揺らぎます。
どうしても叶えられない要望があるときこそ、誠実に伝えることが大切です。
無理な場合に「正直に話す」ことの意味
ごまかさないことが、信頼を守る
「このくらいなら言わなくても大丈夫だろう」「後で何とかなるだろう」と、無理な点をぼかして進めてしまうと、工事の途中や完成後に「思っていたのと違う」というすれ違いが起きがちです。
お客様は、工事や構造の詳細を熟知しているわけではありません。
「なぜできないのか」を、わかりやすく正直に伝えることで、「隠していたのでは?」という疑いを生まないようにします。
理由まで伝えると、納得につながる
「できません」とだけ言うと、お客様は「なぜ?」とモヤモヤしやすいものです。
「構造上、この壁は動かせないため」「ご予算内だと、この範囲までが現実的です」のように、理由まで添えて伝えると、「理解はできる。残念だけど、仕方ない」と納得していただきやすくなります。
理由を話すことは、誠実さの表れでもあります。
正直に話したうえで、必ず「代替案」を用意する
「無理です」で終わらせないことが、この記事の肝です。
正直に伝えることとセットで、「では、代わりにこうするのはいかがでしょうか」と代替案を必ず用意します。
これがあることで、「できないこと」だけが残らず、「一緒に考えてくれている」という印象が残ります。
代替案を必ず用意する理由と、考え方のコツ
代替案を用意する理由
お客様が望んでいるのは、多くの場合「〇〇という手段」そのものではなく、その先にある暮らしや気持ちです。
「聞く力」で触れた「なぜ?」を掘り下げておくと、「部屋を広げたい」の奥に「家族が集まる場所が欲しい」「家事動線を楽にしたい」といった本当の願いが見えています。
代替案は、叶えられない「手段」の代わりに、本当の願いに近づく別の「手段」を提案するものです。
だから、「できません」で終わらせず、「〇〇は難しいのですが、△△なら同じようにご希望に近づけます」と、必ずセットで出します。
代替案を考えるときのコツ
| ポイント | 考え方 |
|---|---|
| 本当の要望を思い出す | 「なぜ、それを望んでいたか」を振り返り、その願いを満たす別の方法を探す。 |
| 段階や範囲を分ける | 一括では無理でも、「まずここまで」「将来のリフォームで」など、段階案を提示する。 |
| 優先順位を一緒に整理する | 予算が足りない場合は、「どこを最優先にするか」を一緒に話し、取捨選択の提案をする。 |
| 「暮らし」に紐づけて伝える | 「この仕様なら、〇〇というご希望に近い形で実現できます」と、暮らしのイメージと結びつけて説明する。 |
「できない」と「代わりの提案」をセットにすることで、お客様は「断られた」ではなく「一緒に考えてもらった」と感じやすくなります。
お客様と納得のいく着地点を見つける(まとめ)
一方的に「これで」と決めない
代替案は、押し付けではなく、お客様と一緒に着地点を探すイメージで出します。
「この案がいいです」で終わらせず、
「〇〇は難しいのですが、△△や□□なら可能です。どちらがご希望に近いでしょうか?」
と、選択肢や相談の余地を残すと、納得感が高まります。
正直さ+代替案が、信頼を積む
- 無理なことは、理由とともに正直に伝える
- そのうえで、必ず代替案を用意する
- 本当の要望(なぜ?)を踏まえて、別の形で叶えられる道を提案する
この流れを習慣にすると、「この会社は隠さないし、できないときも一緒に考えてくれる」という信頼につながります。
無理なときこそ、誠実に伝え、代替案で支える。
それが、お客様に選ばれ続けるリフォーム会社の土台のひとつです。
信頼は一瞬で得られるものではありません。
無理なときこそ正直に話し、代替案を必ず用意する姿勢を積み重ねることが、長い目で見た信頼を守ります。
クレームが起きたときの向き合い方については、別記事でまとめる予定です。
※信頼の土台となる3つのことについては、下記の記事も参考にしてください。


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