工務店経営は差別化がとにかく大事である。
これは、多くのコンサル会社が力説しています。
そして差別化のためには何をすべきなのか?その内容をざっとまとめると下記のようになります。
- 自社の強みを明確にする
- 顧客のニーズを知り、ターゲットを明確にする
- 感情を動かす設計力と営業力、提案力と対応力を磨く
- コストパフォーマンスも考える
- 競合他社を分析し、自社と比較しつつ、自社をブランド化する
いかがでしょう?
おそらく、こういう類の話は、勉強熱心な工務店さんならば、過去のセミナー等でいくらでも聞いたことがあるはずです。
だからこそ、お尋ねします。
それって、バッチリうまくいっていますか?
そんな差別化、地元の工務店に必要なのでしょうか?
多分、それがうまくいっているならば、こんな記事にはひっかからないはずです。
つまり、これを読んでいる時点で、工務店の差別化はできなかった・・・ということでしょう。
でも、それは別に悪いことではありません。
そもそも、もっともらしく思える上の5つの項目は、こうも考えられるからです。
- 自社の強みはこれだ!と自分勝手に思い込むとかえって厄介である。
- 顧客のニーズは多様化しているので、何でもアリのはずなのに、ニーズとターゲットでかえって自分の世界を狭めている。
- 感情を動かすのは、プロ意識よりも、人間としての気持ちや気遣いの方である。
- 基本的にコストパフォーマンスが良いとか悪いとかは、お客様次第である。
- そもそも、競合他社だと思っているのは自分だけだとしたら、比較する意味はない。
他社には絶対に真似できない地元工務店が持つ武器とは?
じゃあ、どうすれば良いのか?
実は、先日、地域が全く異なる、世代も違う工務店の社長さんと続けてzoomミーティングを行ったのですが、面白いことに気づいたのです。
それは、A社とB社の社長さんの性格やスキルの違いです。
結局、地元の工務店が今まで存続してこれたのは、それぞれの社長さんがちゃんと頑張ってきたからです。
そして、その頑張り方は、皆、異なります。
つまり。
他社には絶対に真似できない地元工務店が持つ武器とは、ほかでもない「社長さんご自身の中にある」ということです。
それゆえ、Aさんが行っている営業活動をBさんがそのまま真似したところで、うまくはいきませんし、もちろん、その逆もまたしかりです。(性格も状況も環境もスキルもすべて違うのだから当たり前です)
「なぁんだ。ここに、すでに差別化の種はあるじゃないか。」
そこに気づき、実感した時、マーケティング的な差別化がどれほど地元工務店を苦しめてきたのか?見えた気がしました。
お客様のために、できることを、面白そうなことをやろう!
不思議ですが、マーケティング的な差別化なんて小難しいことを考え出すと、どういうわけか?ホームページにしろ、チラシにしろ、売りたい気持ちばかりが透けて見えてくるようになります。
確かに、チラシやホームページなどで、他社を批判しているような工務店はどこにもありません。
でも、俺のところが、ナンバーワンだぜ!他社なんてクソだろ?ってオーラが出まくってるんですよ。
まぁ、そういう「ジャイアン気質の自信」に惹かれる消費者もいるのかもしれませんが、絶対数はかなり少ない気がします。
そもそもです。
地元の工務店は、競合他社と「戦う」という発想自体が間違っているように思います。
地元工務店は、昔ながらの家庭のしつけと同じで、「よそはよそ」「うちはうち」という営業が一番合っています。
それを貫くからこそ、地元に密着し、地元に愛される存在になれるのではないでしょうか?
もちろん、新築着工数も減ってきている中、なんとか生き残っていかねばならないという問題とは真っ向から向き合わねばなりませんが、どんな将来設計を描くにしても、下記の3つのポイントはしっかりと押さえておくことをおススメ致します。
- お客様のためになることは何か?を考えること
- 自分がちょっと頑張ればできることを考えること
- 考え出したらワクワクしてきて、なんだか面白そうだ!と思えることを選ぶこと
まとめ
地元工務店の差別化は、今や新しい局面に入ったのかもしれません。
少し前に、差別化を図るためには、顧客の体験価値が大事・・・という話を書きました。
今回の話は、それと合わせて考えると、かなりワクワクしてくるはずです。
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